スポーツ栄養・食事に関する資格、種類と選ぶポイント

スポーツ栄養や食事の関係は、スポーツ選手などのトップアスリートだけでなく、成長期の子どもの健全な成長のためにも注目される要素となってきました。

食事で補う栄養素は健康なからだづくりの基本となるため、一般の方にも関係してくることと言えるでしょう。

近年は、運動をするための食事指導や栄養指導を行うための資格を持つスポーツアドバイザーが増えてきましたが、資格の種類が豊富でどの資格が自分に適しているか判断しにくいといった現状があります。

そこで今回は、スポーツフード資格の種類や資格選びのポイントについてご紹介していきましょう。

スポーツフードの資格はどうやって選ぶ?

スポーツフードの資格は国家資格ではなくどれも民間資格です。
ですから公務員のように資格を取得するだけで就職できるとは言いきれません。

しかし、反対に国家資格ではないから資格を持っても意味がないという考え方も正しいとは言えません。
自身がどういった目的で資格を取得したいのか、どのような立場でスポーツ栄養を指導していきたいのかよく考えてから選ぶことが大切です。

近年では、スポーツフードの民間資格が注目され人気が高まってきました。

資格の内容もプロアスリート向けの本格的な資格からクラブ活動に励む子どもへのパフォーマンス向上のための資格など気軽に取得できるものまで多種多様に揃っています。

資格取得のための学習によって食事や栄養に関する知識を得ることができたり、大学や社会人が活動するクラブの専属トレーナーとして役立つこともあるでしょう。

スポーツフードの知識をせっかく学ぶのですから、資格を継続的に活かせる環境を保つことも大切です。
スポーツフードの資格は、自分も含め多くの人の成長や健康を支えられる価値のある資格と言っても良いでしょう。

食事や栄養に役立つスポーツフード資格の種類

スポーツフードの資格は、通学講座と通信講座の2つに分けられます。

通学講座

通学講座では、実際に知識や経験を持つ講師から指導が受けられるといったメリットがあります。

しかし、資格を取得するためにかなりの勉強量が必要となり、専門性も問われるため挫折してしまう方も多いでしょう。
通学講座を代表する資格は以下の通りです。

■アスリートフードマイスター

株式会社アスリートフードマイスターが認定する民間資格で、知識レベルは3級から1級まで用意されています。

3級の基礎に関しては、アスリートフードの理論がメインでアスリートをサポートするための応用知識は含まれません。
2級は基礎で学んだ理論を基づき、アスリートが体を作っていくための食事のメニューやアドバイスするためのノウハウを身につけることができます。

1級は、プロまたはトップアスリートが競技するために必要な栄養素を取り入れた食事づくりができるようアドバイスしていけるプログラムが組み込まれています。

■ジュニア アスリートフードマイスター

上記のアスリートフードマイスターは、このジュニ向けのアスリートフードマイスターの資格を取得しなければ、試験を受けることができません。

アスリートを育てたい、家族や子どもがアスリートである場合はまず、こちらの資格を取得してからアスリートフードマイスターの資格を取るようにしましょう。

1コマ1時間30分の授業を4回受講した後に、試験を受けることができます。
試験内容は受講したテキストの内容に沿った問題が多いので、テキストを基に勉強しておけば、それほど難易度は高くありません。

■健康運動実践指導者

子どもから高齢者まで誰でも安全かつ効率良く運動できるようにプログラムを提案していくための資格として注目されています。
試験は実技と筆記に分かれていて、実技はウォーキング、水泳、ダンス、ジョギングの中で自分が一番得意なものを選択することができます。

また、運動後に行われる心拍の測定方法をわかりやすく説明できることも重要なポイントです。
筆記は、健康運動実践指導者用のテキストの中から出題されるため、内容をしっかり熟読しておけば合格できる可能性は高いでしょう。

■健康運動指導士

健康運動指導士は、養成校で学んだ後に受験するか養成講習会を受講した後に資格試験を受ける必要があり、誰でも受けられる資格ではありません。

養成講習会についても保健師や栄養管理士、4年制の体育系大学または普通大学の卒業者で看護師や歯科医師や薬剤師、柔道整体師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師などの資格保有者が対象です。

■パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、18歳以上または高校卒業以上の経歴が必要になります。
最もメジャーな資格は「NSCA公認のパーソナルトレーナー」ですが、非常に難易度の高い資格であるため、養成施設で勉強してから受ける場合が多いです。

■トレーニング指導者

トレーニング指導者には様々な資格がありますが、定番なのは「JATIトレーニング指導者資格」です。
こちらの資格は、対象や目的に応じて科学的な理論に基づいてひとりひとり適切にトレーニングプログラムを作成したり、指導することができる資格になります。

■公認スポーツ栄養士

スポーツする人たちの食事面をサポートしたり、自己管理能力を高めるための教育・指導をしていくための資格です。
栄養の指導や食事を楽しめるような環境を整えるなどの仕事にも役立つでしょう。
栄養士よりレベルの高い管理栄養士の資格を取得している方など、資格を取得するための条件がいくつか求められます。

■心肺蘇生法技能士

試験対象者は、義務教育さえ終了していれば誰でも受けることができます。
いざという時迅速な対応ができるよう心肺蘇生法やAEDの使用方法などの実技を習得するための試験です。

■スポーツスーパーフードマイスター

こちらの資格もまた義務教育を終了した方であれば、試験を受けることができます。
3日間の講座の中で、ジュニアスーパーフードマイスターの知識や技術など専門的なスキルを学びます。

■パーソナルフィットネストレーナー

アメリカのエクササイズ&スポーツトレーナー協会NESTYA認定のスポーツトレーナー資格です。
あまり日本では知られていませんでしたが、スポーツ好きな有名トレントが取得したことで話題となった資格です。
健康増進・体力づくりなどを目的とした人に合わせたトレーニングプログラムを作成し、スポーツトレーナーやインストラクターなどの仕事に役立てているケースが多いです。

■公認アスレティックトレーナー

アスリートのコーチやスポーツドクターの方々と綿密な連携を図り、アスリートの健康管理やスポーツによる怪我などの応急処置、病気の予防、リハビリを行うための指導を行うための資格です。

アスリートだけに限らず、子どもや高齢者までの健康づくりとしての需要も高まっています。

通信講座

通信講座の特徴は、価格が安く自分のペースで学習できるため誰でも気軽に始められるということです。
スポーツフードをいちから学びたいという方は、通信講座をおすすめします。

最近は、スマートフォンで学べるスポーツフードスペシャリスト資格取得講座「formie」で手軽にスポーツフードについて学び始める方も増えてきました。
他にも通信講座でスポーツフードを学べる講座が見つかります。

■スポーツフードアドバイザー

日本能力開推進協会が指定するカリキュラムを受講した後、資格取得するための試験を受けます。
比較的スポーツや食に関する知識が乏しい人でも、興味のある人なら誰でも取得できる内容になっています。

■スポーツ栄養スペシャリスト

ACCAアスレチックコンデショニングコーチズ協会が認定するスポーツ栄養スペシャリスト資格は、食事の栄養やサプリメントの栄養素などを活用しながらアスリートとしての肉体づくりをサポートしていくための資格です。
資格取得により小学生が加入するスポーツクラブや、病院、フィットネスクラブなどで技術を発揮することができます。

■アスレチックコンディショニングコーチ

こちらの資格は4段階にレベル分けされていて、基本的な知識を習得するためのベーシックコースから順位上の段階に上がっていきます。
通信講座なのでわからないことは全てメールで確認しますが、レポートを提出し理解度をチェックする審査も行われます。

スポーツフード資格を取得するメリットは?

上記では本格的な通学講座から手軽に始められる通信講座を紹介しましたが、このようなスポーツフードの資格を取得することによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。

資格を取るメリットとして考えられるのは、仕事に活かせるといった経歴に箔がつくというメリットと、知識そのものを得ることができるといったメリットがあげられます。

最近は、スポーツフードによって競技能力を向上させることができるといったことが認知されるようになってきたのはご存知の通りです。
これによってスポーツフードの資格を持つ方が就職にも有利になるといった見解もあります。

今までは、プロのスポーツチームや実業団にしかスポーツフードのエキスパートはいませんでしたが、ここ数年の間で民間のジムや子ども達が所属するスポーツチームにもスポーツフードの有資格者がいる時代になりました。

もちろん全てのスポーツチームにスポーツフードの専属エキスパートが在籍している訳ではありませんが、資格がある人とコンサルティング契約しているところが増えてきているといった現状もあります。

スポーツフードの資格を取得して独立で起業する環境もるため、就職に有利になるといっても良いのではないでしょうか。

自身の食生活改善にもつながる

趣味でスポーツに取り組んでいる方であれば、スポーツフードの資格によって食生活の質を向上させることにステップアップできるでしょう。

自分以外の人にアプローチをかけていってもなかなか実感できないところを、自分の体でスポーツをし戦っていく体に変わっていくのを体感することができます。

食生活の改善は、毎日必要な栄養素を摂取し意識していくことから始まりますが、日々の変化や成果を自身で感じることは何よりの喜びとなるのではないでしょうか。

スポーツフードはスポーツに関わっている人だけでなく、子どもやお年寄りなどの健康面にも役立つ資格です。
子育てや介護の食事やレシピなどの観点にも貢献できる資格と言えるでしょう。

スポーツ選手への指導をより向上させられる資格は?

上記でご紹介した資格は、一般的な食事や栄養にまつわる指導が基本となりますが、スポーツ選手に向けてさらに効力のある資格は、内面美容や酵素栄養学に基づいて指導される内容になっています。

公認ファスティングカウンセラーや校にプロフェッショナルインストラクターはこれに該当する資格ですが、どのような内容なのかそれぞれ見ていきましょう。

公認ファスティング カウンセラーR(FC)

こちらの資格は、1日5時間の講座受講とファスティングレポートの提出のみで実践資格を取得できるといった短期集中型のプロ向け資格です。
根源的な健康や美容と結びつきのある酵素栄養学に目を向け、医学レベルの知識に基づいたファスティング方法や知識を学んでいく資格講座です。

5時間の講座を受講した後に、日本酵素・水素医療美容学会推奨の製品を使用してファスティングプログラムを3日間実践します。
最後はレポートの提出をすることによって財団から修了証が発行され、資格取得が認められるような流れとなっています。

ファスティングは、体の細胞を活性化する良質な食べ物だけを摂取し、細胞の働き低下させる食べ物は摂取しないといった要因を取り入れ、スポーツ選手や家族、自分自身への体調管理や、サロンや美容室などにカウンセリングメニューを導入することにも活かすことができる資格です。

サロンでの痩身コースに組み合わせて実践する方も多く、ファスティングを取り入れた経営ノウハウもこのタイミングで伝授することができるでしょう。

公認プロフェッショナル インストラクター(PI)

公認プロフェッショナルインストラクターは、日本酵素・水素医療美容学会理事長を務める内藤眞禮生氏による講義が中心になります。
最新の水素・酵素栄養学やファスティングといった内面美容のノウハウをプロフェッショナルな階級で習得することができる資格です。

また、ダイエットと食事全般に関係する研究を通して、健康寿命の延伸や医療・美容業界を発展するための目的を持っています。
医師や医学博士から直接指導されることによって、講師レベルの内面美容の知識を習得することができます。

今までサロンで行われていたフェイシャル施術やボディ施術はどれも外面美容を中心としてきました。
しかし、酵素や水素の最新栄養学や食事指導、ファスティング指導によって内面美容コンサルティングへと急成長できる可能性が高まります。

スポーツ選手はただひたすら体の運動能力を高めるだけでなく、体を構築する栄養や精神面を充実させなければなりません。
体の中に取り入れた栄養素は、筋肉や脂肪、体調だけでなくメンタルにも影響します。

スポーツフードの資格としては、メンタルトレーニングの資格も併せて勉強することができるので、アスリートを育てていくトレーナーや、自分で自分の体を鍛えていく訓練にも貢献できる資格です。

普段の食事で摂取している栄養素が、体の中でどのような働きを促しているのかを正しく理解し、より効果的に栄養素を摂取するための指導としても役立つでしょう。